自立した健康人になる!

ゆるーい図解付き。三大栄養素の消化を内臓とカタカナの雰囲気で覚える【勉強キライな人のための衛生管理者・労働生理の勉強】

勉強キライな人が
衛生管理者の勉強がしやすくなるよう
労働生理について
ゆるく解説しています。

今回は消化のお話。

消化とは

私たちが生きるためには
エネルギーが必要で
そのエネルギーをつくるためには
栄養が必要です。

その栄養をとる作業が「食事」です。

そして
その食べたものを分解する作業が
皆様ご存知「消化」です。

ただし
胃液で溶かす!と
いうようなレベルの話ではなく、
細胞が使える極小サイズまで
分解していく作業をいいます。

消化するためには
「消化酵素」が欠かせません。

料理する時に
大きな食材を口に入るサイズになるよう
包丁で切るのと同じで、
大きな栄養素を細胞が使えるサイズまで
小さく切ってくれるのが「消化酵素」です。

消化酵素は万能な包丁とは違い
栄養ごとに使うものが違います。
そして、
消化され小さくなった栄養は
名前が変わってきます。

衛生管理者の試験では、主に
三大栄養素である
・炭水化物
・タンパク質
・脂質
が、それぞれ何の酵素によって
何になるのかが出ます。

食べ物が消化されるまでを
順を追って見ていきましょう。

お米が甘い!唾液のアミラーゼ

まず食べ物は口に入ります。
そして、消化は
すでにここから始まります。

唾液の中には
「アミラーゼ」という
消化酵素が含まれています。

お米って
かめば噛むほど
甘くなりますよね。

あの現象は
お米のでんぷんが
唾液のアミラーゼによって
マルトースに消化されているから
起こるんです。

アミラーゼで
炭水化物を消化しつつ
歯でいろいろなものを細かくかみ砕き、
飲み込まれた食べ物は
食道をとおり胃へ運ばれます。

かたいお肉もドロドロ!胃液のペプシン

胃では
消化酵素ペプシンが
タンパク質を分解します。

小学生のころ
コーラを飲むと体がとけると
言われていました。

さすがに
コーラで人体はとけないと
思いますが
胃に入ったお肉は
ペプシンが溶かします。

タンパク質は
この消化酵素ペプシンによって
ポリペプチドになります。

胃液は酸性なので
その他のものもドロドロに溶け
腸へと移動していきます。

いよいよ腸で
栄養素の吸収!

かと思いきや
まだ細胞にとっては大きすぎるため、
腸の入り口である「十二指腸」で
消化酵素のない「胆汁」と
すべてに効く消化界最強の「膵液」が
投入されます。

マヨネーズの黄身的役割!胆のうの胆汁

胆のうから出る
消化酵素を持たない胆汁は
脂質の分解を助けます。

脂質は脂、消化液は水。
水と油はまざりません。



しかし、マヨネーズは違います。

原材料である油と水(酢)が
キレイに混ざり
分離することはありません。

その秘密は
卵の黄身による「乳化」。

ケンカする水と油の間に入り
イイ感じにまとめてくれるんです。

参考 なるほど!マヨネーズの作り方愛は食卓にある。kewpie

消化において
この黄身の役割を果たすのが
胆汁です。

食べ物から取り入れた脂質と
消化液を乳化させることで
消化の手助けをしています。

三大栄養素に関係!膵臓のアミラーゼ・トリプシン・リパーゼ

膵臓からは
消化酵素がわんさか入った膵液が
十二指腸に投入され
ようやく吸収される準備が整います。

膵液に含まれる消化酵素は3つ。
・アミラーゼ
・トリプシン
・リパーゼ
です。

3つの消化酵素
ということで気付いていると思いますが、
三大栄養素それぞれに対応しています。

すでに出ているものと合わせて
覚えていきましょう。

膵アミラーゼ

まずは唾液の時にも出てきた
アミラーゼ。

効く栄養素も同じく炭水化物です。

炭水化物は
1回目のアミラーゼで
マルトースになり
2回目のアミラーゼで
グルコースになって
吸収されます。

文字で見ると難しそうですが
ゆるい図とイメージで
もっと簡単に覚えましょう。

ホルモンの記事の
膵臓のところにも書いたのですが
「グル」は糖に関する物っぽいです。

カタカナが多くて覚えにくいホルモンを覚える【衛生管理者・労働生理のお勉強】

口で甘さ(糖)を感じた炭水化物は
「グル」コースになります。

図にするとこんな感じ。

↑文字数とのばす棒の場所(〇〇〇ー〇)一緒



衛生管理者の試験は
記述式ではありませんので
相当運が悪くなければ
一字一句覚えてなくても大丈夫でしょう。

トリプシン

続いてトリプシン。

トリプシンは
タンパク質に効きます。

タンパク質は
胃のペプシンでポリペプチドになり
膵臓のトリプシンによって
アミノ酸になります。

ペプシン♪トリプシン♪
ラッパーのように
韻を踏んで覚えましょう。

↑半濁点(プとかぺ)が多いのに最後だけマジメっぽい



ついでに言っておくと
アミノ酸って
レゴみたいなものなんです。

レゴは組み立て方を変えると
鳥にも魚にも人間にもなります。

アミノ酸の組み立て方を変えると
鳥にも魚にも人間にもなります。

実は消化酵素だって
タンパク質の一種。
アミノ酸の組み立て方が
違うだけなんですよ。

たんぱく質を崩せばアミノ酸に、
アミノ酸を組み立てればタンパク質に。

つまり、
豚肉を崩してアミノ酸に分解して
そのアミノ酸を組み立てなおして
自分のからだにしているということ!

タンパク質は「体をつくる」って
そういうことなんです。

リパーゼ

最後にリパーゼ。

リパーゼは
消去法で、もうわかると思いますが
脂質に効きます。

脂質は異質です。



酵素なしの胆汁で乳化することも
他と違う点ですが、
消化酵素1つしか使っていないのに
2つのものが作られてしまうんです。

その2つのものとは
グリセリンと脂肪酸です。

脂肪酸は、もう名前を見ただけで
脂質からできるモノだと予測できますから
頑張って覚えなくても大丈夫でしょう。

一方のグリセリンは
実はかなり身近な存在。
お手持ちの化粧水や
ハンドクリームなどの成分に
必ずと言っていいほど入っているんです。

私の愛用ニベアクリームにも。

グリセリンには保湿作用があります。

つまり今度は
水と油が混ざらないことを
利用しているということなんですね。

↑リパーゼ=脂質を覚えれば消去法で何とかなりそう

合流、吸収、排出!腸

十二指腸で胆汁や膵液と混ざったら
いよいよ小腸で
栄養の吸収がはじまります。

ちなみに、胃液は
皆様ご存知の通り酸性です。

なので
このまま小腸に行くと
小腸も溶けてしまいそう・・・!

ですが、実は
胆汁がアルカリ性なので
すでに中和済み。

胆汁は
酵素を持ってないクセに
いい仕事をしています。

小腸の内側は
たくさん栄養をキャッチできるよう
表面積を広げるために
デコボコしています。

このデコボコを
柔毛(じゅうもう)と言います。

柔毛をキレイに伸ばすと
テニスコートのサイズになるそうです。

いくら、くしゃくしゃにしているとは言え
お腹の中に
テニスコートサイズの管が入っているって
すごいですよね。

この吸収においても、脂質は異質。

元炭水化物のグリコーゲンも
元タンパク質のアミノ酸も
小腸から血管の中に取り込まれます。

しかし
元脂質のグリセリンと脂肪酸は
小腸内のリンパ管に吸収されます。

あとは皆様ご存知の通り
吸収が終わった残りかすは
大腸で水分を抜かれ
トイレにて排泄されます。

まとめとついで

三大栄養素の分解について
勉強してきました。

毎日の食事の時間で思い出すと
かなり定着しますよ。

ぜひ、ご飯の甘味を感じるごとに
「アミラーゼが分泌中」とか
お肉を飲み込んだら
「今胃袋のお肉は
ペプシンで細切れにされている」とか
考えながら食事してみてくださいね!



最後にひとつ
ついでに覚えましょう。

ビタミンやミネラルは分解されません。


分解されずに
そのまま吸収されるんです。
ビタミンCが多いものを飲むと
尿が黄色くなるのがその証拠。

ついでに覚えてくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です