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異化・同化・基礎代謝・代謝率…漢字が多くてイヤになりそうだから、3つのポイントにしぼって勉強する代謝【勉強キライな人のための衛生管理者・労働生理の勉強】

衛生管理者の労働生理を
勉強嫌いな人のために
ゆるく解説しています。

今回は代謝について。

暗記しようとすると難しそうで
人体好きでもイヤになる所ですが
意味から理解しちゃえば
そんなに難しくないです。

怖がらずに見てみてくださいね。

代謝とは化学変化である

代謝には
いろいろな種類があります。

基礎代謝、タンパク質代謝、
エネルギー代謝など
本当にたくさん!



一言で言うと
代謝とは「化学変化」のこと。

食べたタンパク質をアミノ酸に変えたり
糖をエネルギーに変えたり
そういう何かを変化させることを
代謝というんです。

代謝に関する問題では
「何から何に変化する」を覚えるより
①異化・同化
②基礎代謝
③エネルギー代謝率

の、3つのポイントをおさえると
点が取りやすいと思います。

では、1つ目の異化・同化について
みていきましょう。

代謝=異化+同化

化学変化には、大きく分けて
2つの反応があります。

物質が「くっつく」反応と
「離れる」反応です。

このくっつく方を「同化」といい
分離する方を「異化」といいます。

例えば
お肉などを食べて
体に取り込んだたんぱく質を
アミノ酸へ消化するのが異化で

腸で吸収したアミノ酸を
肝臓でフィブリノーゲンなどの
タンパク質に変えるのが同化です。

異化  A→a+a(異なるものにする)
同化  a+a→A´(同じものにする)

ここまでは、言葉の響きで
なんとなくイメージできると思いますが
問題によく出るのは
その時エネルギーを
消費するのか?生産するのか?

という部分です。

どちらかを覚えれば
あとは消去法でいけるので
「異化はエネルギーをつくる」
を覚えましょう。



食べたものは胃で消化されますね。

消化とは
食べ物のかたまりを
細胞が使える「栄養素」に
分解する働きのこと。

食べ物→栄養素+栄養素
なので、異化です。

そして、ご飯を食べた時って
身体が温まりますよね。

あのポカポカ温かくなるのは
エネルギーが生産されている
ということです。

つまり
消化(=異化)すると
エネルギーが生産されるんです。



逆の反応である同化は
エネルギーを消費する方です。

まぁ、料理でもなんでも
何か物つくる時って
体力や火力使いますしね。

ちなみに、エネルギーのことを
ATPと言います。

逆から読んだらPTA。笑

基礎(=生きてるだけ)代謝

続いて、2つ目のポイント
基礎代謝について
みていきます。

基礎代謝とは
ただ生きるために消費するエネルギー
のこと。

心臓を動かしたり
呼吸をしたり、
体温を維持するのに使う
エネルギーということです。



基礎代謝は
生きているだけの状態
つまり
「横臥、安静、覚醒」した状態で
測定します。

横臥(横になって)
安静(じっとして)
覚醒(寝てない)状態。

このまま漢字で覚えようとすると
難しそうなので
今日の夜からベッドに横になったら
目を開けて
「これが基礎代謝」と唱えましょう。



基礎代謝は筋肉量に左右されます。

なので、比較するなら
性別・年齢を合わせなくては
いけません。

男女では
そもそも筋肉量が違います。

また、歳をとると筋肉は衰えてきます。

歳とって太ったー!というのは
加齢によって筋肉が細くなり
基礎代謝が悪くなったから
なんですよね。



ここで、よく出る問題文を
見てみましょう⇓

基礎代謝は同性、同年齢であれば
体表面積にほぼ比例する

結果から言うと、
これは正しい文章です。

先ほど言った通り
比較するなら
性別・年齢を合わせる必要が
あります。

「体表面積にほぼ比例する」というのは
表面積が大きければ大きいほど
血液を循環させる面が広くて
力を使うってことです。

体重じゃないですよ。
表面積です。

同じ体重でも、身長が変われば
表面積が変わります。

綿1キロと鉄1キロのように。

ということで、基礎代謝は
表面積の多い人の方が
多くのエネルギーを使います。

エネルギー代謝率

最後に、エネルギー代謝率。

エネルギー代謝率とは
その作業で使ったエネルギー量は
基礎代謝の何倍にあたるか?

を示す数値です。



たとえば
「歩く」のは
基礎代謝の約2.7倍
エネルギーを使う。

「ジョギング」は
基礎代謝の約10.8倍
エネルギーを使う
という感じ。

「作業に対して」のことなので
その作業を行う人のことは
ほとんど関係がありません。

なので、体格・性別による影響は
ほとんどないということを
覚えておいてください。

そして
「作業に対して」のことなので
動きがないものに関しては
算出できません。

たとえば
立っているだけ、とか
座っているだけ、などの
静的作業。

動きがないので、基礎代謝の
生きているだけの状態と
大きな差はないですね。

また、楽しい/つらいという
精神的なこともエネルギー代謝率には
影響ありません。

走るのが楽しい人でも
ツラいと思う人でも
同じエネルギー代謝率なんです。



ということで
「エネルギー代謝率は
動的作業の強度を示すことはできるが
静的作業や精神的作業には
適用できない」のです。

まとめ

代謝は
漢字や難しそうな言葉が多くて
勉強するのが面倒ですが
分解しちゃえば
そこまで難しくありません。

今回説明した
①異化・同化
②基礎代謝
③エネルギー代謝
の3つのポイントをおさえて
正解率上げましょう!



人体の代謝工場と呼ばれる
肝臓についても
併せて勉強してくださいね↓

消化のあとに一緒に覚える肝臓のはたらき【勉強キライな人のための衛生管理者・労働生理のお勉強】

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