自立した健康人になる!

自分のからだで理解すれば超カンタン!呼吸の仕組み【衛生管理者のお勉強・労働生理】

勉強キライな人のために
できるだけゆるーく
人体の解説をしています。

今回は試験によく出る
呼吸の仕組みについて
お話します。

周りのおかげで動く肺

「肺(はい)」とは
呼吸によって
酸素と二酸化炭素の交換を行う
臓器です。

肺は風船のようなもので
ふくらんだり縮んだりするものの
自分で空気の出し入れをすることは
できません。

空気の出し入れをするには
胸郭と筋肉の助けが必要です。

肺をかこむ胸郭(きょうかく)

胸郭とは肺を取り囲む骨たちのことです。

・胸の正面についている
 ネクタイのような胸骨
・背中の中央にある背骨
・肺をぐるりと取り囲んでいる
 肋骨

これらをまとめて胸郭と言います。



胸郭は鳥かごのように
硬い骨で肺のスペースを確保し
繊細な肺を守っています。

ただし、肺は
風船のように膨らみますので
実際の鳥かごのように硬くて動かないと
肺がぶつかってしまいます。

なので、胸郭は
周りの筋肉によって動かされ
スペースが伸縮可能になっています。

胸郭を動かすのは2つの筋肉です。

肋骨の下側、胸とお腹の境目にある
横隔膜(おうかくまく)と
肋骨と肋骨の間にある
肋間筋(ろっかんきん)です。

胸と腹の境目「横隔膜」

横隔膜は
胸郭の「底」のように見える
うっすーい筋肉です。

息を吸っていない
ニュートラルな状態では

↑このように上に盛り上がる
ドームのような形です。

筋肉が収縮すると
ドームのふくらんでいる部分が
平らに近づいていきます。

ドームがしぼんだ分だけ
胸郭内のスペースは広くなり、
その分空気が入ります。

逆に息を吐くときは
スペースを狭くしてやればいいので
横隔膜の収縮をやめて
元のドーム状に戻します。

漢字そのまま「肋間筋」

肋間筋は漢字そのままの筋肉。

肋骨と肋骨の間の筋肉のことです。

肋骨の間が広くなれば
胸郭の内側のスペースは広がり、
その分空気が入ります。

逆に息を吐くときは
スペースが狭くなるよう
肋骨と肋骨の間を縮めます。



このように
肺への空気の出入りは
肺の周りの2つの筋肉による
協調運動で行われています。

ゴミが増えると呼吸する

脳の呼吸中枢は
延髄(えんずい)」にあります。

呼吸とか心臓の動きとか
生きるための機能は
この延髄が支配しています。

延髄が呼吸の指示を出すのは
血液中の二酸化炭素が増えたときです。

試しに息を止めてみてください。



だんだん苦しくなって、
息したくなりますよね。

息を止めても
心臓は動き続けているので
血液中の酸素は細胞に届けられます。

酸素を受け取った細胞は
エネルギーを作り出し
その過程で二酸化炭素というゴミができ
血液に回収されていきます。

通常、肺から
外に捨てるはずの二酸化炭素が
いつまでも血液中にあれば
当然捨てたくなりますよね。

その
「いい加減にゴミ捨てなさい!」
のサインが
「苦しい、息すいたい」
なんです。

通常は呼吸を続けているから
苦しさを感じないだけで、
延髄はいつでも
二酸化炭素が増えたのをきっかけに
呼吸を促しています。

ある意味カンニング可能!?

ここまでで
呼吸の仕組みは勉強し終わったのですが、
テストで出るときは「内圧」なんて
ちょっと難しそうな言葉を使われます。

が、一つずつ見てみると
大したこと言ってないと
分かると思います。

例えば、この問題

胸郭内容積が増し、内圧が低くなるにつれ、
鼻腔、気管などの軌道を経て
肺内へ流れ込む空気が吸気である。

平成30年10月公表問題より



「胸郭内容積が増す」とは胸郭が広がり、
内側のスペースが増えたということです。

「内圧が低くなる」とは
広がったスペースに対して
入っているものが少ないってことです。

圧力は常に一定でなければいけませんので
空いているスペースを埋めるために
空気は勝手に流れ込みます。

肺に空気が入るのは
息を吸う時
つまり吸気です。

ということで、この文は
正しい
判断することができます。



が、これでも難しいと思った方は
この一連の流れを
実際にやってみましょう。

まず、息を止めたまま胸郭を広げます。

胸郭はそのままで
息を止めるために気道をふさいでいた
舌を離してみてください。

勝手に空気が入りますよね。



私はこのように
テストの時に息を吸って
横隔膜や胸郭の動きを確認して
答えていました。

・・・一種のカンニングでしょうか?笑

まとめ

テストで言葉が難しくても
仕組みさえ分かっていれば
大丈夫です。

落ち着いて読むと
漢字が同じだったり
自分でやってみることができたり
ヒントが意外とあるのが人体です。

また
体や感情を動かすこと、繰り返すことで
物事は覚えやすくなります。

呼吸は毎日していることですので
ちょっと意識するだけで
すぐ覚えられると思いますよ。

日常の動作の中で
「あ、今横隔膜が戻ったな」とか
「胸郭が広がった」とか
ぜひ感じてみてください。

勉強できる時間は限られていますので
自分のからだを使って
効率よく勉強してくださいね。

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